宇宙手帳

広く日常。

小説の書き方を勉強する

小説の書き方を初歩の初歩からボチボチと勉強しているわけですが。
漫画は何本も描いたことがあっても、小説はあまり経験がないので、知らないことが結構あります。


特に難しいのは、語り手を誰にするかという問題。
一般に、小説は一人称または三人称で書かれますが、三人称の中にも更に3つくらいのパターンがあって、これが難しい。
人によって分類名が違っていたりするのですが、ザックリ分けるとだいたいこんな感じ。


1: 三人称主観
2: 三人称客観
3: 三人称神視点


1の三人称主観では、登場人物の誰かひとりを視点者として話を進める。主要人物の心理描写は、その視点者から見た状態となるため、「怒ったように吐き捨てた」のような表現となる。


2の三人称客観では、視点を一つに定めない。心理描写は基本的にせず、動作のみを描写する。多くの人物の動きが物語の流れを作る、群像劇向け。


3は、人物の真理も事の成り行きも、すべて知っている全知の神のような視点者。歴史ものなんかで突然出てくる、「これが後の世で○○と呼ばれる××である」みたいなのがこれなのでしょう。作者の存在が目立つ書き方。



三人称小説の種類について5つくらいに細かく分類しているサイトもありましたが、読んでいて混乱したので、簡潔に3つに分けてくれていたこのサイトを参考にしました。↓
http://zubatnovel.com/howto_3.html



なるほど。
三人称だからといって、必ずしも登場人物全員の心理や物語の先々で起こることを見通したような地の文を書いてもいい、というわけではないのですね。

歴史ものだと、登場人物に感情移入して読むというよりは、作者と一緒に歴史の外側から眺めている感じだから、神視点が適切なんですね。
逆に登場人物に感情移入してほしい恋愛ものとかだと、主観的な方がいいんだろうな。



では、漫画の場合はどうなのか?

漫画を制作する時、「視点」についてどう考えるのかと言いますと、わたしは正直に申し上げて、考えたことがありませんでした。
基本的に会話劇なので、たまに補助的に作者がナレーションを入れる、といった程度に考えてました。
適当というかご都合主義というか…。

心理描写のモノローグは、短編漫画の場合は主人公のみにしておけというのが定石なのですが、長編になってくると複数の登場人物が自由に心理をモノローグで読者に表現するようになってきます。
そこらへんに明確にルールがあるのかどうか……漫画を描いていたのに何も知らなくて申し訳ない限りです。どなたか詳しい方に訊いてください。



話を小説に戻します。

小説を書くのはまるっきり初めてではありませんが、完成させたことがほぼ皆無なので、初心者を名乗っております。
実はすでに先日から小説を少しずつ書き始めています。
書きながら勉強していく感じです。短編でも長編でもない、中途半端な長さになりそうなので、勉強にはちょうどいいかなと。
語り手というか視点者というかは、一応、登場(しない)人物のひとり、という設定にしてあります。先の分類だと、三人称主観に相当しますね。とりあえず誰かに定めておかないとメチャクチャになりそうなので。


小説を書いている人は周りに結構いるのですが、みんなすごい難しいことをやってるんだなーと感心しています。
わたしは心理モノローグやナレーションで説明しまくりで自由に漫画を描いていたので、小説のルールがとても新鮮です。難しそうですが、ルールを守ってその範囲内で書くことで、パズルを完成させるような達成感が望めそうです。


文章が下手すぎて、書き直しばかりしているので小説がなかなか進みませんが、書いているととても楽しいです。
少しずつですが、完成に向けて進めていこうと思います。

また、今まで何気なく読んでいた小説やこれから新たに読む小説も、視点が誰に設定されているのかを考えながら読んでみたいです。