宇宙手帳

広く日常。

ローマ2014・旧アッピア街道

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ローマ市中心部から少し離れたところに伸びている、旧アッピア街道。
ガイドブックで見て、行ってみたいと思ったので、旅程に組み込みました。

ヨーロッパ旅行経験のある同僚の男性に、

アッピア街道は女性が一人で行くのは危ないですよ。やめた方がいいですよ」

と言われましたけども。さて。


ガイドブックには、「Archeobusという観光バスで旧アッピア街道に点在する観光スポットに行ける」とあったので、それに乗る気マンマンでいました。
観光バスなら比較的安全そうじゃないですか。



ところが。

Archeobusについて、テルミニ駅の500人広場にいたバス係員に訊いてみたら、「アルケオバスはないよ!(No more archeobus!)」と言われてしまいました。ガーン。


ガイドブックをよく見たら「夏期にはarcheobusが運行しており…」とさりげなく書いてあって、夏だけか!と今頃気づく始末。



件のガイドブックには、archeobus以外の行き方が全然書いてないけど、他の行き方はないんだろうか。


iPhoneって便利ですね。ググったらちょこっと出てきました。
市内の路線バスでも行けるようです。(実はタクシーでも行けるけど運賃は不明)



ただ、実際に行った人のブログには、「非常にさびしい山道」「人けがない」「ここで犯罪に遭って大声を出しても誰にも聞こえないだろう」などと書いてある。


会社の人に危ないからやめとけと言われたことが思い出されて、不安を煽られるんですけど…。



Archeobusみたいな観光客しか乗ってないバスと違って、路線バスはスリの恐れもあるし。ヤバイかな。


でも行ってみたい。



結局、意を決して行ってきました。路線バスで。

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Fermata(停留所)。各路線の止まる停留所の名前も書いてあります。


街のMini Market(市内に点在する、コンビニほどもない小さな小さな雑貨店)でバスの路線図を買ってきて、バスの路線番号やルートを調べました。
バスの路線番号はネットにも書いてあったけど、ネットの情報はあまり信じてないので…。

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電光掲示板もあるけど、これもあんまり信じる気にならない感じ。

観光バスなら3ヶ所くらい回ろうと思ってたけど、路線バスは本数が少ないしなんか怖いので、San Sebastiano教会のカタコンベだけに行くことにしました。



実際バスに乗ってみると、外国人らしき家族連れやカメラを持った2人組のおじいさん、地図を持った単独おじさんなどの観光客っぽい人が何組かバスに乗っていて、みんなSan Sebastiano教会のカタコンベで降りました。
わたしも下車。

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英語のガイドが始まる時間まで、寂しい石畳の道を散歩したり、買ってきたウエハースを食べたりして時間を潰しました。
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確かに人通りは少ないけど、車は結構多いし、40km制限を無視して飛ばしてるから、別の意味で危ない。

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カタコンベの中は写真撮影禁止だったので写真がなくて申し訳ないんですが、とてもよかったです。
2000年前の初代教会の遺物が当時のまま保存されていて、なんともいえない気持ちになりました。


地下は狭い通路で迷路のようになっていて、ひんやりしています。通路は狭いけど、全体の規模はかなり広いと思います。
わたしは洞窟的な暗くて狭い場所があまり好きではないんですが、迫害の嵐だった初代教会の人たちがここにいたんだと思うと神妙な気持ちの方がまさってきます。


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地上に出ると教会があります。

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彫刻家ベルニーニの遺作。
ほとんど完成しているのですが、指と指の間が完全に切り離されていない部分があります。
美しいキリスト像。



どこに行っても人が多く雑然としたローマ市内の観光地とは違い、静かで清らかな場所でした。物乞いや物売りも、楽器演奏で小銭を稼ぐ人もいません。
やってくる観光客も、この場所を静かに味わおうとする人が多いようでした。


おすすめしたい観光地ですが、寂しい場所ですので、夜には行かない方がいいと思います。