宇宙手帳

広く日常。

アナログのすすめ

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書道を始めて5ヶ月目になりました。

家でも時々練習します。昨夜も2時間くらい書いてました。

半紙に4つの漢字を書くのですが、4字ともうまく書けることはまずありません。最後の一字で台無しになったとか、一字だけはうまく書けたんだけどあとはヒドイとか、そんなことばかりです。

デジタルの「一画戻るボタン」を押せたら…或いはうまく書けた文字だけデジタルで合成できたらどんなにいいか、と思うこともしばしばです。
しかし書道では、一度書いたところを二度書きで直すことすらタブーです。潔すぎる一発勝負の世界。

一度書いたら直せない。しかしそこがいい。
やり直しのきかない緊張感。この高まりが、「この一枚で決める!」「次はいいのを書いてやる!」という気持ちを起こしてくれます。
間違えても簡単に繕えるデジタルでの作業なら、こんな気魄はなかなか湧いてきません。デジタルならキレイに仕上げることは簡単ですが、「上手になってやる!」という本気が出てきにくいんじゃないかと思います。
最終的に提出する時は、全体がバランスよく無難にまとまったものを選ぶことになるのですが、一応完成させたという満足感とともに、「あー、ここだけ直したい…!」という一抹のもどかしさが残ります。そのもどかしさが、次へのリベンジ魂となってまた活きてきます。

紙と墨がある限り、書き直しは何度でもできるので、毎回が一発勝負です(何回もやってたら結局一発じゃない…とか言わないよーに)。疲労もしますが、同時にすがすがしいこと夥しい。
書くほどに紙と墨が消費されて、書いたものが積まれていく、その物的変化もいい。
そして書き終わって片づけなどする時の達成感と充実感が尋常でない。これらは戻るボタンや合成ツールがあったら味わえない感覚でしょう。

誤解されそうなので断っておくと、わたしはデジタルを否定したくてこういうことを書いているわけではありません。わたしがデジタルで絵を描かないのは、単にデジタルツールをあまり使えないからというだけです。絵チャは時々やりますし、iPhoneで指で絵を描く程度は楽しんでいます。
ただ、アナログの良さは忘れない方がいいなと思っています。
間違いをキレイに消して美しく仕上げられるデジタル作業はもちろん魅力的です。ですが、わたしは書道のような逃げ道のない一発勝負の中で湧いてくる「うまく書いてやる!」という強い気持ちにグイグイ背中を押される快感を覚えてしまいました。そういった心理的効果のみならず、実際に(初心者の時期だからかもしれませんが)書くほどに上達していくのがわかるので、本当に実力が育つのはアナログの方が近道なんじゃないか、と考え始めています。

書道の話のはずがいつの間にか絵の話が混じってしまってすみません。同じアナログ作業でも、絵となるとまたちょっと違うかもしれませんね。