タイムカプセルの開封
何年も前の、何が写っているのかわからないフィルムを、現像に出してみました。
何が写っているのか、ドキドキしながら、お店でビューワを借りてネガを見てみたら、意外なものが写っていました。
寺ですね……。
奈良の唐招提寺だと思います。
確かに、数年前に行った記憶があります。
当時大阪に住んでいて、転勤を告げられた時、もう一度奈良に行っておこう、そして鑑真の寺を一度見ておこうと思ったのでした。
そこで、iPhoneで写真を撮ってInstagramに投稿したことは憶えていたのですが、フィルムカメラを持って行ったことは記憶から完全に抜け落ちていました。
わたしは何かにつけ病的な記憶障害が伴うので、こんなことはよくあることなのですが、なんでフィルムカメラを持って行ったのか、どうしても思い出せません。
その頃すでにInstagramをやっていて、iPhoneも持っていて、カメラといえば当然のようにデジカメを使っていたはずなのですが……。
わたしはカトリックの信者ですが、鑑真和上のことは尊敬していて、このお寺にも一度行ってみたいとずっと思っていました。
多分もう二度と行く機会はないだろうし。
それで、フィルムで残しておきたいと考えたんだろうか……。
どのカメラで撮影したのかも、まったく記憶にありません。
写りが広角レンズっぽい感じはしますよね?
花とカレーと木造アパートの思い出
Rollei35Sで撮った写真が上がってきました。
フィルムカメラで何日もかけて1本のフィルムを撮っていると、現像した時に季節外れの写真があったりするのが、デジタルと違ってよいところだと思っています。
夏のような陽気の日に、桜の写真とかを見て。
すでに懐かしさがあるという。
どこにピント合わせたらいいのかわからなくて、適当に合わせた。
真面目なカメラマンには怒られるであろう適当な撮り方。
一眼レフじゃない素通しファインダーなので、どこにピントが来ているかは出来上がりを見てからのお楽しみです。
結果的にこれでよかったと思った一枚。
これもそんな感じで撮った。
散歩写真の思い出
10年以上前だと思うけど、これらの桜写真を撮ったあたりの場所に、小さなカレー屋さんがありました。
当時、散歩の途中にそのお店に入りました。
テーブルの上にAGAT18Kというプラスチックでできたベラルーシ製カメラを置いて、カレーをいただいていたら、お店の人(奥さんかな)に「それはカメラですか?」とか訊かれた。
カメラですよーとか答えて、写真撮りながら散歩してるんですって言ったら、こんな情報をくれた。
「この近くに、三階建ての木造のアパートがあるんですよ」
どういう会話だったか、詳しいやり取りはよく憶えていないのですが、わたしがどういう被写体を求めているのかを、このカレー屋の店員さんは理解していたようです。
カレーを食べた後、そのアパートを探して少し歩いて、見つけて、AGAT18Kで撮影したように記憶しています。
そして、それから十何年も経った今、Rollei35Sを持ってまたここを散歩しているわたし。
カレー屋さんはとっくになくなっていて、AGAT18Kも壊れてしまったけど、歩いていて偶然、あのアパートに出くわしました(このアパートの詳細な位置を憶えていなかったので、偶然見つけた感じ)。
一度撮った写真と同じ写真をもう一度撮ることに、意味なんかあるんだろうか。
とかいうことを、考えないわけでもないけど、いずれなくなってしまうであろう物件との再会はやっぱりうれしいし、あのカレー屋さんのことを思い出すきっかけにもなって、なんかよい散歩ができたような気分になりました。
Rollei35S。
やっぱりとても好きなカメラ。
針の穴からのぞいた世界
少し前に、このブログでもお知らせしましたが、世界ピンホール写真デーが近づいております。
ピンホール写真とか針穴写真とか針孔寫眞とか呼ばれているもので、スマホやデジカメでサッと撮ってシャッと見る的な世界とは対極にある写真世界です。
そんな針穴写真の日を前に、岡山市のアサノカメラさんで、ピンホール写真展が開催されるそうです。
この写真展に、僭越ながらわたしも2点ほど出品させていただきます。
ご都合のよろしい方は是非、見にいらしてくださいませ。
こういうグループ展的なイベントに出品するなんて、何年ぶりでしょう。
そして、針孔寫眞で出品するのは初めてです。
以前は本当によく針孔寫眞を撮っていました。
海外旅行にもよく針孔写真機を持参して、撮影していました。
上記の国以外にも、中国(2回持って行った)や韓国でも針孔寫眞を撮りました。
アサノカメラさんでの写真展に出したのは、中国で撮影した写真です。
西湖という湖で、三脚を立ててPINHOLGA(おもちゃカメラHOLGAのレンズを外して自作の針孔を取り付けた変なカメラ)で撮影していたら、中国人に「そのカメラは何!?」とか話しかけられたのも良い思い出。
最近めっきり針孔寫眞を撮らなくなってしまいましたが、針の孔で撮影した写真は、何年も経つと独特の熟成をするようで、見た時の懐かしさが普通じゃありません。
今住んでいるところを、もっと針孔で撮っておこうと思います。