宇宙手帳

広く日常。

梅の木のある家

また、素敵な物件が姿を消しました。


この家。
とてもとてもお気に入りでした。

イチ推し物件だったといっても過言ではありません。


以前このブログでも「明治の文豪が中から出てきそう」とか書いた覚えがありますが、一度だけこのおうちの人が玄関から出てきたところを目撃したことがあります。
80歳くらいの、品のよいおばあちゃんでした。

玄関わきに梅の木があって、春になると小さな花が咲いて、この家がますます素敵になりました。


最後にこの家の前を通った時も、

「いつ見てもいい家だなあ」

と思うと同時に、

「春になると梅が咲いて最高なんだよな。春になったらまたカメラ持ってこよう。
春が待ち遠しいな」

と思いながら眺めていたのでした。
それがつい先日のことでした。


次にそこを通った時には、工事の覆いがされていて。
今日も通ったのですが、もう建物はありませんでした。

本当にさびしい。

この冬が去って春が来ても、この家も梅の木もないなんて。
撮った写真を見て、毎年この家のことを思い出すのでしょう。