宇宙手帳

広く日常。

路地を撮る

赤瀬川原平さんが亡くなったことは自分にとってかなりショックでした。
少し写真をかじっていて、たくさんの写真家を見てきたけど、いちばん好きだったのは赤瀬川さんだったし、いちばん真似したのも赤瀬川さんでした。

そしてこれからも真似していきたい。
ご本人には遠く及ばないけど、少しでも近づきたい、と思うのです。


そんなワケで。

個人的に「偲ぶ会」みたいなことをしようと思い、久しぶりに路上観察に出かけてみました。会とか言いつつひとりですけど(笑)。
前から目星をつけていた路地街へ。

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駅を出て路地に入るといきなりトマソン階段に出迎えられ。

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階段のある路地っていいですね。

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こういう、ちょびっとした階段もいい。

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こうやって歩きながら、自分の好きなものを確認していくような感じで楽しい。

好きなアイテム。
石畳が残っている路地。

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うだつのある家。

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石垣。

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これらも好きなアイテム。
だんだん老朽化して、数が減ってきているので、今!撮っておかないと!!と思うものは、うだつの他にも多いです。

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古い家屋が好きだというのは先日も書きましたが、廃屋が好きというワケではないです。
きれいに大切に使われている古い家屋が好きみたいです。

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赤瀬川さんが好きそうな窓。

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赤瀬川さんが路地裏を撮影する時は、「ちょっと失礼いたします」というような心持で撮っている、と言っていました。
誰もが通れる公道で、誰もに見えるようにそこにあるものなのだから、眺めようが撮影しようが構わないのだろうけど、あくまでもそれは他人のプライベートな生活が表出したものであるから、それを垣間見たり写真に写すことが少しだけ躊躇される、という気持ち。

オレは誰にも撮れない写真をモノにするんだぜェ~と言って山に登って貴重な山野草を撮影した後、他の人に撮影されないように引っこ抜いて去るようなカメラマン気取りは、赤瀬川さんの心意気をちょっとは見習えばいいと思います。

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たとえば、いい感じの細ーい路地がある。
その奥にいい雰囲気が広がっていそうで、入ってみたい気持ちになるけど、「私道なので住民と関係者以外は入らないでください」と書いてあれば入らない。
そこにズカズカ踏み込んでしまっては、赤瀬川さんの思いを台無しにしてしまうことになる。


人の写真の真似なんかして、いったい何がしたいんだ?と言われるかもしれないけど、尊敬する人が大切にしていたものを自分も大切にしたいだけなんですねー。

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休憩は、町屋カフェでクレープを食べました。


結果的に、偲ぶ会なのかただの散歩なのかなんなのかわからない感じになりましたが、久しぶりの路上観察が楽しかったので満足です。

この前、奈良の路地でスケッチをしてみたけど、路地に関しては絵に描くより写真を撮る方が好きかもしれないなーという感触があったので、今回を機に、少し休んでた路地写真撮影をまた再開しようと思っています。

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