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茶房日誌

烏龍の日記。Instagram ID: @oolongchai

描き続けることはひとりSM(高見政良氏のコラムより)

今日たまたま見つけた、高見政良さんという人のコラム。
http://www1.linkclub.or.jp/~s-t23/column/index.html


いくつかの記事に「自分の中のサド侯爵」という存在が登場するのですが、これが非常に興味深かった。
詳しくは上記リンクからコラムを読んでいただくとして、簡単に説明すると、自分の中のサド侯爵とは、創作活動中に現れるもうひとりの自分です。
どんな人なのかというと、

「一生懸命描いている主観的な自分を冷ややかに見ている、もうひとりの客観的な自分」であり、
「冷静な批評家の『もうひとりの自分』が、作品のテーマや表現方法や経済的な側面のことなんかも、チェック」してくれる。そして、
「『自分に恥ずかしくない、納得のいく絵を描く』ということが大事なんです。そう、もう一人の自分が納得出来るかどうかの方がまず、大切です。あなたの中のサド侯爵を一流のナビゲーターに育て上げることがね!」
とのこと。
(「」内の引用はすべて高見氏のコラムから)


描くことがただ楽しくてしかたがない時期というのは、意外と早く終わってしまいます。表現としてのものの見方が少しずつわかってきて、眼ばかり肥えて腕がついていかなくなってくると、あんなに楽しいばかりだった描くことが、だんだん苦痛になってきます。

そんな時に現れるのが、内的サド侯爵だ、と高見氏は言います。

このサドさんは、やたら厳しいことばっかり課してくるし、しんどいのに絵に向かわせようとしてくるので、もういい加減にしろ!と言いたくなることもあります。
しかし、実は彼は、上に引用を載せたように、苦痛になってしまった創作活動を再び楽しいものに変えてくれる存在であり、また、自分の作品に対して冷静な判断を下してくれるありがたい存在なのです。

わたしの場合、8月のイベント合わせで柱の男本の原稿を描いている時に突然そいつが現れました。
今思えば、もっと前からいたのかも…そもそも柱の男本を作れと言いだしたのもそいつだったのではという気が薄々しますが、存在をハッキリ認識したのは原稿を描いてる時でした。

とにかくすごいダメ出ししてくる。おかげで何枚描き直ししたかわからない。原稿用紙がツギハギ状態になって、ホワイト修正だらけになってしまいました。
ネタもいくつかボツにされて、新しく作り直しました。
何なんいきなり出てきて偉そうに、アンタ誰!?と思ったし、もしかして精神病でいう人格障害ではともチラッと考えましたが、原稿してる時しかその人格は出てこないから、まあいいやと思って原稿執筆を進めました。

そんな奴が邪魔するもんだから、原稿の進捗はいつもと比べて非常に遅かった。
精神的にも苦しくて、まさしくひとりSM状態でした。Mにならないとやってられないという。
そいつが納得してくれないと本ができないので、とにかく一所懸命描きました。サドには腹が立つものの、原稿をやること自体は大変楽しかったです。


斯くして原稿はサドさんにどうにか納得してもらいました。
ところが、印刷所への発注の段階になると今度はこいつ、わたしの予定していた発行部数の2倍の部数を発注しろと言いだした。
いやいやいや…それはちょっと欲張りなんじゃないですか…とわたしは思ったので、ハイそうですかと即答はしませんでした。
オンライン発注書の確定ボタンを押す前に、発行部数入力欄に、自分の予定部数と侯爵の主張する部数を交互に入力しては消し、かなり長いこと逡巡していました。

そして結局は侯爵のいいなりになって、当初の予定の2倍の部数で発注してしまったのでした。
あーあやってもた!どう考えても、大量の在庫を抱えて涙目になってる自分しか想像できない!!


……と思ったんですが、あれから2ヶ月経った今、ちょうどいい感じの在庫部数が残っています。
次の本ができるまでにまだイベント参加予定があるので、残っててくれないと困るんだけど、その残り具合がちょうど過不足なさそうな雰囲気なのです。

「作品のテーマや表現方法や経済的な側面のこと」まで冷静に判断してくれるという内的サド侯爵。
まさしくあの人だったんだ…と、高見氏のコラムを読んでしみじみと思うのです。


高見先生は、自らの絵画教室で、「描き続けることはひとりサド・マゾの世界だよ!」と教えておられるらしいです。わかりすぎてツライwwwww

とにかく、原稿をやってる最中に突然出てきた謎の人格が自分の病気の産物じゃなくてよかった…と、高見氏のコラムを読んで安心しているところです。創作者にはみんないるんですね、あの人。
今日はいつにも増して病的な文章になってしまいましたが、内的サド侯爵は絵の先生が認めている存在なので、わたしひとりのビョーキ発言というワケではないのですよ!と胸を張って言っておきますね。

自分の中のクソ厳しいサド侯爵が納得してくれただけあって、柱の男本の出来は素晴らしいんです!!と言いたいワケでは決してありません断じてありません。

ではでは創作者の皆様、楽しいひとりSMを。